人口密集地よりも地方に多く見られる「低未利用地」。
令和2年の税制改正で、「低未利用地を売却した場合の長期譲渡所得の特別控除」が
創設されています。
とても簡潔に説明するとこの制度を利用すると
有効に活用できていない土地を売る際に、税金の控除を受けられますよという制度です。
「地方の土地を相続したものの、土地活用できずにいた、さてどうしようか」
「土地を持ってはいるが、使いみちがなく何年も空き地にしている」
という人なら、利用価値が高い制度です。
土地を売却するには、測量の費用(境界非明示で売買されることもあります)や、
不動産業者に仲介を依頼した際の仲介手数料、印紙代などなど何かと費用経費がかかるうえ、
最終的に売れた金額に対して税金まで支払わなければなりません。
地方の土地をお持ちの方で数百万円の売買だったとしたら。
上記の必要経費と税金を差し引いたら、せっかく売れたのに
土地を売った人の手元に売却利益があまり残らないじゃないかという事態になります。
その結果、「売らないで持っていた方がいいのでは」とな感じる人も少なくないでしょう。
これではますます地方の空き地・空家が増えてしまいます。
そこで、国が考えたのが手残りを多くしてもらうために土地を売却する人が支払う税金を減らそうという制度です。
この制度は、地方部を中心に全国的に空き地・空き家が増加する中、
新たな利用意向を示す者への土地の譲渡を促進するため、
個人が保有する低額の低未利用地を譲渡した場合の譲渡所得を控除することで、
土地の有効活用を通じた投資の促進、地域活性化、
更なる所有者不明土地の発生の予防を図ることが目的とされています。
松堀不動産コンサルティングでもこちらの制度を利用して
税金の控除を受けられたというお客様がいらっしゃいます。
東松山市内および比企郡の低未利用地を数多く確認申請しております。
とはいってもそもそも低未利用地とは何ぞや、条件は?私は使えるの?期限とかあるの?
と思われる方も多いかと思います。
まず、低未利用地とは何なのか、
税金の控除をしてもらうためにはどのような条件があるのか
実際にどの程度まで税額が安くなるのかなどについて、順番に説明していきます!
「低未利用地」とは?
「低未利用地」とは適正な利用が図られるべき土地であるにもかかわらず、
長期間に渡り利用されていない「未利用地」と、
周辺地域の利用状況に比べて利用の程度(利用頻度、整備水準、管理状況など)が低い
「低利用地」の総称をいいます。
「未利用地」の例:空地、空き家、空き店舗、工場跡地、田畑などの耕作をしていない土地、
管理放棄されている森林
「低利用地」の例:暫定的に利用されている資材置き場や青空駐車場など
100万円控除が使える条件
次に100万円控除が適用されるための条件です。
- 売った土地等が、都市計画区域内にある低未利用土地等である。
(注)低未利用土地等とは、居住の用、事業の用その他の用途に利用されておらず、
またはその利用の程度がその周辺の地域における同一の用途もしくは
これに類する用途に利用されている土地の利用の程度に比し、
著しく劣っている土地や当該低未利用土地の上に存する権利のことをいいます。 - 売った年の1月1日において、所有期間が5年を超えること。
- 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。
特別な関係には、生計を一にする親族、内縁関係にある人、
特殊な関係のある法人なども含まれます。 - 売った金額が、低未利用土地等の上にある建物等の対価を含めて500万円以下であること。
- 売った後に、その低未利用土地等の利用がされること。
- この特例の適用を受けようとする低未利用土地等と一筆であった土地から
前年または前々年に分筆された土地またはその土地の上に存する権利について、
前年または前々年にこの特例の適用を受けていないこと。 - 売った土地等について、収用等の場合の特別控除や事業用資産を買い換えた場合の
課税の繰延べなど、他の譲渡所得の課税の特例の適用を受けないこと。
以上の7点です。
上記の条件を満たせば、100万円控除が受けられます。
注意したいのはこの控除で支払う税金の額が100万円安くなるわけではありません。
土地を売却したら、売却で発生した「利益」は「譲渡所得」となり税金がかかりますが、
100万円控除は、この譲渡所得から行います。
ポイントは、「利益」のみが譲渡所得になるということです。
以下資料の特例適用の適用イメージを見ていただくとイメージがしやすいかと思います。
【参考資料】

そして最後に適用される期限ですが、期限は今年令和4年12月31日までとなっております。
土地は、ただ所有しているだけではその価値が十分に発揮されません。
使い道のない土地であれば、売却することも非常に有効な土地活用の手段です。
制度についてなんとなくわかったけれど申請はどうしたらいいかなどは
弊社にお任せください!
冒頭で申し上げました通り、実際にこちらの制度を利用して控除を受けられた
お客様が数多くいらっしゃいます。
ぜひ「低未利用地」の売却は
松堀不動産コンサルティングまでご相談くださいませ!
参考:国土交通省HP
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000074.html