空家問題が騒がれる昨今です。
不良空家を無くすために、各自治体で、
空家解体のための補助金を用意しています。
我らが東松山市でも、補助金がありまして、
「東松山市 老朽空き家除却補助金」といいます。
趣旨として、「周りに危険を及ぼすような空家を無くしたい」ということなので、
空家の解体なら何でも使えるわけではありません。
【空家の要件】
1.市内にある空き家
(一戸建て住宅又は、兼用住宅の場合は
住宅以外の部分の床面積が延べ面積の2分の1未満であるもの。)
2.住宅地区改良法第2条第4項に規定する不良住宅であるもの
3.1年以上空き家で使用していないもの
4.公共事業の補償の対象となっていないもの
5.個人所有であること
(当該空き家の所有者が複数いる場合は、全員の同意を得ているもの。)
6.空家等対策の推進に関する特別措置法~中略~による勧告を受けていないもの
7.倒壊等により隣接地及び周辺の道路、住宅等に危険を及ぼすおそれがあるもの
参考)http://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/kurashi/sumai/Vacant_house/1492502159325.html
以上の全てを満たす必要があります。
2.と6.は、とりあえず気にしないで結構です。
要するに「市内の空家で、1年以上使用しておらず、周りの危険になりそうな空家」が対象です。
“空家の築年数”が書いていないので、どの戸建が認められるかは個別判断です。
「危険を及ぼすおそれ」ですから、通常は築古でないと難しいでしょうね。
補助金の金額ですが、
・東松山市内の解体業者にお願いすれば25万円
・市外の業者に依頼すると、20万円の補助金
年度により予算が決まっているので、予算を使い切れば終了となります。
依頼方法について、流れは以下の通り。

まずは事前相談票を提出することから始まります。
担当課は、東松山市役所の環境政策課です。
解体業者が協力的であれば、手続き自体はそこまで難しくありません。
今回、お預かりした土地に古家があったので、
解体するのに補助金を申請してみたところ、無事に審査を通過しました。

平家の1階建で、危険度は高くないようにも思いましたが、
住宅地のど真ん中にある昭和40年代の建物で、
背の高いTVアンテナが屋根についていましたので、
台風があれば危なかったでしょう。
この1件しか通していないので、東松山市の審査基準は不明です。
とはいえ、昭和40年代、という築年数は説得力がありそうです。
現在は解体も完了しましたので、
実績報告が無事に通過すれば、最後に補助金の請求を行います。

一般的な解体の単価としては、100㎡の2階建を解体するのに、
東松山の価格が120~150万円くらいでしょうか。
そのうち20万円、というのは大きいと思います。
ちなみに、解体による補助金は一時所得、
他に一時所得が無ければ基礎控除内ですので、
個人事業主にせよサラリーマンにせよ、通常は確定申告不要です。
東松山市だけではなく、都内含め各自治体で同様の補助金があるはずです。
都内だと100万円くらい出るところも多いので、調べてみるといいでしょう。
空家については、解体しない方がいい場合もあります。
一応、以下にまとめますので、解体する前にチェックしてみてください。
・市街化調整区域の場合、建物が無いと建替不可になることがある
・郊外不動産の場合、更地では需要が無いこともある
(解体しない方がいい可能性あり)
・解体する前に補助金が使えるか検討
・相続なら、空家の3,000万円控除が使える可能性を検討
・住んでいたなら、居住用の3,000万円控除を検討
(何も考えず解体しない方がいい)
ぱっと思いつくところだと上記のような注意点があります。
何も考えずに解体してしまうと、
致命的なこともありますからご注意くださいね。